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ステンレス鋼材国内市場近況2023 #8 予想通りの値下げも需要回復は道遠し・・

先週9日にステンレス最大手の日鉄ステンレスは3月店売りのニッケル系ステンレス冷延薄板についてトン2万円の値下げを行うと発表した。予想では15,000円の下げでは?とみられていたが、結果は2万円の下げ。日鉄ステンレスはニッケル相場の下落を理由に挙げているが、需要環境の不振も若干考慮に入れたのではないだろうか?ニッケル系冷延薄板の値下げは6か月ぶり。また半導体製造装置向けの厚板もトン2万円の値下げとした。クロム系は据え置き。

 

(LMEニッケル相場($/ton)と国内304系冷延薄板価格(\/kg市中実勢)の推移)

(国内304冷延薄板はタイムラグがあり、実質的な値下げは遅れている)

 

 

(LMEニッケル相場($/ton)とアジアの304系冷延薄板価格($/ton)の推移)

(アジアの304冷延価格はニッケル相場と需給環境に応じた値動きで素直に下落している)

 

 

ステンレス鋼材の国内市場は昨年10月以降、需要減退が顕著になり、2023年に入ってさらに状況は悪化している。

従前から述べているように半導体製造装置向けはステンレスにとって重要な市場ではあるが、まだまだ弱い。

ステンレスコイルセンター関係者の読みでは「6月に大底がきて、そこから回復するといわれているが、それでも前年比で20%減程度になるのではないか」とのこと。これもすでに述べているが、半導体製造装置も部品供給が遅れていることで未完成品の山、という状況は変わらず。このあたりは自動車業界とも似ているが、いわゆる「挽回生産」が現れる見込みはない。年内厳しいとの見方。同時にステンレスミルの減産も6月以降も続くことになる。

 

 日鉄の2万円値下げがマーケットに浸透するのは3か月後。現状はまだ高値の在庫をいかに捌くか、にコイルセンター各社は頭を悩ませているのだが「なかなか難しい。問い合わせの電話すらない」(コイルセンター営業担当氏)という低迷状況。304系冷延薄板ぼ市中実勢はトン当たり65万円前後(キロ当たり650円前後)だが、ケースバイケースでここから2万~3万円のディスカウントもある様子。しかしそれでも輸入品の比ではない。今現在流通しているのはトン55万円(キロ当たり550円)前後で国産品の10万円~15万円安、というのが相場。しかし現状の輸入オファー価格ではすでに40万円台に入っているということで、国内ステンレス鋼材の下落トレンドはしばらく、年内は続くとみる。

 

 

(IRUNIVERSE/MIRUcom YT)

 

 

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