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2023年IZA市場連絡会 4年振りに対面で開催 @日本鉱業協会

 2023年4月21日(金)に、日本鉱業協会、鉛亜鉛需要開発センター主催でIZA市場連絡会が開催された。2020年及び2021年は中止、2022年はオンラインでの開催となっていた。亜鉛ダイキャスト、環境と規制、溶融亜鉛めっき及び新規用途に関する市場連絡会が、4年ぶりの対面で開催された。約60名が参加した。

 

 IZA 市場連絡会は、亜鉛の市場開発を目的とした IZA (International zinc Association)の研究開発や亜鉛に関する話題の連絡会である。従来は 3 月の開催であったが、本年は2023 年 4 月 23 日~4 月 27 日にパシフィコ横浜にて開催されている第 12回 APGGC(Asia Pacific General Galvanizing Conference)に合わせて講師が来日するため、今回は4月の開催となった。2020年までフランク・グッドウィン博士が市場連絡会を運営してこられたとのこと。後任のお二人が来日した。

 

 第12回APGGCについては、下記をご参照ください。アイアールユニバースでは、取材をいたします。

The 12th Asia Pacific General Galvanizing Conference|日本語 (apggc2023.com)

 

4月21日に開催されたIZA市場連絡会は、5セッションに分かれて、講演及びディスカッションが実施された。

午前中

亜鉛ダイカストセッション

環境と規制に関するセッションⅠ

午後

環境と規制に関するセッションⅡ

溶融亜鉛めっきセッション

新規用途セッション

 

 講演は、マーチン氏

 Mr. Martin van Leeuwen 氏 国際亜鉛協会 技術・市場開発担当理事 Director, Technology & Market Developmentが、亜鉛ダイカストセッション、溶融亜鉛めっきセッション 及び、新規用途セッションの3セッションを担当した。

 

亜鉛ダイカストセッションで新コーティング手法であるナノコーティングについて説明されるマーチン氏のご講演の様子

 

 従来の約8~20µmの亜鉛層を生成することなく、アルミダイキャスト表面に直接、約0.1 µmの不働態化処理層を形成し、更に約2µmのナノレイヤーコーティングする、新コーティング手法である。384時間のSST試験においても腐食が認められていない。

 

エリック氏

Dr. Eric van Genderen 氏 国際亜鉛協会 環境・健康・持続可能性担当理事 Director, Environment, Health and Sustainabilityが、環境と規制に関するセッションⅠ及び、環境と規制に関するセッションⅡの2セッションを担当された。

 

 

 セッションⅠで、Zn及びZn化合物のハザードとリスクについてご講演のエリック氏。IZAは10名のスタッフからなるEHSチームが環境・健康・持続性活動を支えている。

 Zn(亜鉛)は自然界に存在する元素であり、水中、土壌中に存在するが、この化学物質としての管理が国によって異なる。詳細へ別報:“IZA国際亜鉛協会が果たしているEHS環境・健康・持続性活動に学ぶ”で紹介いたします。

 

IZA市場開発会議

開催日時:2023年4月21日(金) 9:30 ~ 17:00

会  場:日本鉱業協会(東京都千代田区神田錦町3-17-11 榮葉ビル)6階会議室

参 加 費:無料(事前申込制)

募集人数:60名(申し込み先着順)

 

 2023IZA市場連絡会プログラム(講演内容詳細は、次報とさせていただきます。)

 なお、講演内容については、鉛と亜鉛Webマガジン20237月号で公開予定。このWebマガジンは登録すれば無料で閲覧可能ですので、20227月号に公開された、IZA2022市場開発連絡会の記事も、参考に是非ご覧ください。

 

亜鉛ダイカストセッション(Die Casting Session) 

講師 Mr.  Martin van Leeuwen –

 

 最近の亜鉛ダイカストコンペと表彰について 紹介された(ドイツの亜鉛協会協賛により、ヨーロッパのエキスパートにより製品が選出された。製品:振動及び騒音を低減したジャガーに用いる亜鉛ダイキャストによるドアキャッピング、内部欠陥の無い環境配慮型表面品質のコネクタープレイと、軽量化に貢献したランボルギーニ用のシフトハンドル、が選出された。ダイキャストではないが、積層造形法による3Dプリンティング製品が特別賞を受賞。)

 

 その他、北米ではZink Challenge2021-2022が医療機器をテーマに学生を中心に開催された。

 

 亜鉛ダイカストのカーボンフットプリントについて:ドイツの亜鉛協会と協賛で、ダイカスト領域でのネットゼロの考え方を整理中。建設業での製品レベルでのLCAを考えるには、鋳造の段階、二次合金の製造及び一次合金及び2次合金の使用比率などがメーカー毎に異なり、更なる議論及び整理が必要。

 

 国際競争力の維持:亜鉛の価格変動は大きく、時間の経過により生産量は徐々に低下傾向にあるものの、欧州では生産量は横ばいである 。市場開拓として、耐クリープ性のため高融点合金EZAC ZP1510が開発されているが、低融点でクリープ強度の高いZn-Al-Mg合金なども有用である。

 

 研究ニーズ

・クリープ性及び疲労特性の改善

・エネルギー消費の削減及び低融点化

・鋳造の条件の最適化による機械特性の改善

なお、これら研究開発の多くは、Aalen大学に依存している。

 

 プロセス開発

プロセス開発においては、薄肉化、軽量化、コーティング技術の開発が行われている。

 

 北米のダイカスト協会の調べによれば、ダイカストの生産量の約3割が自動車、2割が家電、13%が建築及び建材となっている。アメリカは、サプライチェーンの不安から、国内回帰によって国内での生産量が堅調に増加しているようだ。

 

 

環境と規制に関するセッションⅠ(Combined SessionⅠ)

 

 講師 Dr. Eric van Genderen

- REACH規制プログラムと国際化学物質管理の現状

 - RoHS規制の現状 

- 亜鉛および亜鉛化合物の環境規制 

 - カドミウムの現状と今後

詳細は別報:“IZA国際亜鉛協会が果たしているEHS環境・健康・持続性活動に学ぶ”で紹介いたします。

 

環境と規制に関するセッションⅡ(Combined SessionⅡ)

「環境、健康と持続可能な開発Ⅰ」

 

 講師 Dr. Eric van Genderen

- 環境調査

- 持続可能な開発イニシアチブ 

- 健康/微量栄養素イニシアチブ 

 

溶融亜鉛めっきセッション(General Galvanizing Session) 

 

講師 Mr.  Martin van Leeuwen

北米では溶融亜鉛めっき鉄筋を鉄筋コンクリート構造物で使用する事例が増えているが、日本国内ではまだまだ使用量がすくなく、一層の亜鉛めっき鉄筋の普及を提案した。

- 亜鉛めっき鉄筋の研究開発状況

- 亜鉛めっき鉄筋を施したRC橋の橋梁調査

- 亜鉛めっき送電柱の開発

 

新規用途セッション(New Uses Session)

 

講師 Mr.  Martin van Leeuwen

- 亜鉛蓄電池:開発されている種類と新用途の状況

 - 亜鉛電池のリサイクル,IZA白書

- 2022 年/2023 年バッテリーイベントのハイライト 

-亜鉛電池を使用した LDES(長期エネルギー貯蔵システム)実証プログラムに対するDoE(エネルギー省)資金計画 

- 亜鉛熱溶射:洋上風力発電と船舶、橋梁での利用状況

-亜鉛熱溶射コーティングを施した橋梁のケーススタディとビデオ放映

 - 亜鉛の有望な用途

 

 講演詳細は別報“新たなバッテリー開発・非LiB・亜鉛2次電池の実証実用化進む”で紹介いたします。

 

 

(IRUNIVERSE tetsukoFY)

 

 

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