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老舗航空機製造企業がものづくりワールドに登場 昭和飛行機工業株式会社

 22日、東京ビックサイトで行われている、ものづくりワールド2023年で、コロナショックで最も影響を受けた航空業界だが、その中で老舗航空機メーカーが参加し、注目を浴びていた。その企業は「昭和飛行機工業」。

 

 1937年設立の同社は、零式輸送機(ダグラス製DC-3をモデルとした輸送機)を製造した実績がある航空機メーカーであり、現在では、タンクローリーや、航空機メーカー向けに部品の供給なども手掛けている。

 

(同社が手掛けた零式輸送機。旧日本海軍が輸送機として使用した。写真:Wikipediaより)

 

 今回の展示では、同社が50年の製造販売実績を誇る、「ハニカム構造材」を展示していた。

 

航空機の床材等に使われるハニカム構造材

 

 この構造材は、「紙」に近い素材を、樹脂で染み込ませて作るもので、軽量化と頑丈さを併せ持った構造材である。

 

 主に、航空機の床材に使われているという事だが、実は私自身、航空業界にいた時に、航空機の貨物室の床で、これを同じものを見たことがある。非常に軽いが頑丈であるというのは覚えていた。

 

 また、耐熱性にも優れ、例えばバーナー等で火をあぶっても、バーナーを話すと火が他の部分に燃え移らず、そのまま消えてしまう仕様にしているという。これらの特性は、発注先のボーイングなどの航空機メーカーの要望によるものだという。

 

 

問題のリサイクル性と廃棄になった時の処理

 

 ただ、やはり航空機の部材の共通の問題として、廃棄になった時の、これらの処理方法だという。

 

 特に、業界では、CFRP(炭素繊維強化プラスチック)の処理及びリサイクル方法が確立しておらず、例えば今回のハニカム構造材も、破砕処理後、射出成型機などにより、固めて、航空機部材に使える場所に使うといった試みがあるという。この辺は、以前、エアバス社の講演の記事で紹介したことがある。(エアバス社の場合は、熱可塑性のCFRP部材に切り替えて上で、繊維を抜き取り、それを使うといった手法だった)

 

 ただそれができない場合は、ほとんどが産廃として処理されるという。

 

 部材メーカーも、基本的には航空機メーカーの要求に応えるために全力を尽くし、それができた後は納入するといった流れなので、今のところ、そこに「退役後のリサイクル」という部分は考えられていない(余裕がないともいえる)とのことだった。

 

 以前から様々な場所で言われていることだが、「製造者責任」という事が言われる時代になった時、製造メーカーが、この部分を理解し、どのような処理を進められるかが、注目される。

 

 

(IRUNIVERSE Hatayama)

 

 

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