出光 豪州 SAF 製造のJet Zero Australia 社へ出資
-原材料の安定確保やサプライチェーン構築で協力-
出光興産株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:木藤 俊一)は、3月13日、豪州クイーンズランド州等で持続可能な航空燃料(以下「SAF」)の製造を推進する Jet Zero Australia (CEO:Edward Mason)への出資を行い、戦略的パートナーとして協業を進めることに合意した。海外における SAF 製造案件への出資は、同社にとって初となる。SAF のグローバルなサプライチェーン構築に向けて知見を蓄積し、安定的な供給体制の確立を目指す。
Jet Zero 社は、豪州国内において SAF 製造および原料プロジェクトを推進するリーディングカンパニーのひとつで、クイーンズランド州を中心に、豪州において複数プロジェクトを推進している。その中でも PJ Ulyssesは、農業副産物を原料としたバイオエタノールから、ATJ※プロセスにより年間 10 万KL 超の SAF を製造する計画。カンタス航空・エアバスおよびクイーンズランド州政府などからのサポートも受けており、2027 年に SAF 製造装置の操業開始を予定している。
今回の出資にあたり、豪州国内における SAF の早期実装化・サプライチェーン構築に向け Jet Zero社、カンタス航空・エアバス等と協業することについても合意した。今後は SAF 原材料の安定確保に向けた協力、同社のプラント操業ノウハウの供与など、戦略的パートナーとして取り組む。
日本では、政府および航空業界により、2030 年までに航空燃料使用量の 10%を SAF に置き換える目標が掲げられている。同社はこの目標の実現に向け、年間 50 万 KL の SAF 国内供給体制の構築に取り組んでいる。将来のさらなる需要増に備え、同取り組みを通じて豪州での知見やパートナーシップを構築することで、SAF のグローバルなサプライチェーン構築に向けた知見を蓄積していく。
※ATJ:エタノールから SAF を製造する技術・プロセスで、SAF の国際規格「ASTM D7566 Annex5」として認証されている。
■Jet Zero Australia 社概要
名称 :JET ZERO AUSTRALIA PTY LTD
住所 :Level 20, Greenwich Office, Australia Square, 264 George St, Sydney, Australia 2000
CE :Edward Mason
事業内容 :SAF およびバイオ燃料製造業
■PJ ユーリシス概要
プロジェクト所在地 :豪州クイーンズランド州北部
生産プロセス :ATJ(アルコール to ジェット)
SAF 生産能力 :約 10 万 KL
生産開始 :2027 年 1Q
(IR universe rr)
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