REIA&JOGMEC&MIRU 国際レアアースシンポジウム6　Day2と総括

2024/06/24 15:22 FREE

二日目の午後となると、初日に満席だった会場に空席が目立つ様になってきた。

Pm1：14.00-14.20 “Deep-Sea Mining of Rare Earths. Pros and Cons. ”

「レアアース（以下RE）の深海採掘」Yasuhiro Kato, Professor , University of Tokyo.

かとうやすひこ東京大学教授

二日目の午後冒頭は東京大学の加藤教授による「REの深海採掘」でした。

大平洋の海盆（basin）に集中し、特に南鳥島沖のRE mudにはコバルトやニッケルを含有しており、日本の機関を含む世界の40代理機関（agency）が試掘（commissioning）の申請をしている。とのこと。

長所は、REの品位が高いこと、微粒子の集合体で粉砕費用が少なくコスパが高いこと、海底表層に分布しており掘削の必要が無いことなどあるが、課題は水深6千mの深海で有ること、海洋汚染の懸念があること等の説明だった。

Pm2: 14.20-14.35 “Care Mag: an Innovative Unit to Process Efficiently a Mixed of Recycling and Mining Sources.”

ケア・マグ：「リサイクルと採掘原料とを効率的に混合処理する革新的なユニット」

Frederic Carencotte, CEO Carester

フレデリックカレンコット、ケアスター社長

加藤教授が海洋汚染の懸念を示してセッションを修了すると同時にタイミング良く、フレデリックカレンコット氏がREE豊富な泥濘開発に伴う環境影響についてのセッションが行われた。

氏は、深海底におけるREE豊富な泥濘開発について次の3点について提言を行った。

海洋性域においては普通の種が生存している（有外生物は存在しない）ので、採掘跡では生態環境は回復する。

深海原油、メタンハイドレートあるいは海底表層の硫化鉱物鉱床に比べて泥濘そのものは有害性が無い。

効率的な空気揚鉱（エアリフト）システムは周辺海洋への泥濘の拡散を押さえる。

さらに、氏は海底のREE豊富な泥濘の開発は高い技術を持ち法令遵守の国際代理機関に限られており、国際的な組織とSDGsに沿っており、

陸上の持続的な資源開発の問題は海洋開発に因っている。

Pm3: 14:35-15:25 Panel Session

パネル討議

“Recycling Rare Earths; Techno-Economic and Environmental issues” /

「REリサイクル、技術経済および環境課題」

Strategic Market Editor, Fast Markets

Ahmad Ghahreman, CEO, President and Co-Founder, Cyclic Materials;

William Dawes, Director, HyProMag;

Felipe Guerrero, Technical Commercial Engineer, JGI-HYDROMETAL;

Leonard Ansorge,

Managing Partner, RockLink;

Pini Altaus, CEO and Co-Founder, REEMAG..

パネルでは、カロリンメッセカー女史の名司会で順調に進行した。4人のパネリスト達が順次意見を述べたが一人話しが長いパネリストがいて意見が分散しがちであったためメッセカー氏の裁きの巧さが光った。

基本的には、REの開発と高磁力磁石の開発に市場の要求の高度化が旨くマッチングするのかが里程（マイルストーン）に表示しながら意見交換が成された。

特に、中国の市場占有率、特にEVにおけるテスラとBYDとのせめぎ合いにEUとトヨタがどのように対応するのか議論が伯仲したが50分の時間内ではさすがのメッセカー女史のモデレートでも結論が出るには至らなかった。

4人が共通して強調していたのがLCAの視点で環境影響を判断することが重要であると言うことであった。

Pm4: 15:25-15:45 “REE Market Dynamics: The Supply-Demand Paradigm” / Ronan Murphy, Editor, Argus Media

「REEの市場動向: 供給と需要のパラダイム（変動）」

本セッションでは、中国の供給チェーンを超えて磁石ミネラル・サンドに焦点を当てる最近の価格について議論が展開された。

2011年にREE91％以上であった中国の占有率は、2020年のREEショック以来、脱中国意識が高まり米国や豪州の鉱石生産が増加し始め、2021年には中国の占有率は約60％まで低下した。

ミネラルサンドは、イルメナイト、ルチル、ジルコンを含む。豪州は南アフリカ、インド、ウクライナと並ぶミネラルサンドの主要生産国のひとつで、日本、英国、米国、スペイン、イタリアなどへ輸出している。

Pm5: 15:45-1605 “Techno-Economic Bottlenecks in the Diversification of Rare-Eath” /

紹介は、「希土類元素の多様化における技術的・経済的ボトルネック」についてであった。

Metal and Alloy Value Chain, Hossein Sepehri Amin, Group Leader – Green Magnetic Materials. National Institute of Material Sciences, Japan

本セッションでは、定番の磁石利用製品紹介から始まり、次いで、REEの高磁力磁石成分について代表的な（Nd,Dy）-Fe-B磁石の需要と成分の限界が示された。EVの急増により2023年に供給限界線を越える状況となったことが示された。

次いで、Dyの必要性が示され、Dyを使わない場合は200℃まで持たないので粒子の大きさと結晶構造の変化で250℃まで磁力の安定化をさせる技術研究を進めているとのこと。

Pm6: 16:05-16:15 Member Spotlight: TAM International, Canada

TAM International のプレゼンは、ウラニウムの輸送、コバルト60を使った放射線治療装置など医療設備など幅広く業務実施をしており、RE事業も放射性元素含有の関係から事業を行っている紹介があったが、何が出来るかどうするかの羅列で、技術的説明が乏しく、具体的に詳しく知りたければ別途情報交換をする必要がある。

Pm7: 16:15-16:20 Vote of Thanks. Nabeel Mancheri, REIA Secretary General

コンファレンス修了後、REIAの事務局長より、二日間に亙って会場運営に携わった方々各人の名前が読み上げられ、お礼のセレモニーが行われた。

（REIA＆MURC＆JOGMEC＆MIRU）

2日間のカンファレンスを振り返って、REIAの前副会長である三菱ＵＦＪリサーチ＆コンサルティング経済・産業ユニットの清水孝太郎氏は

「当方が知る限り、日本を含むアジアでここまで大勢の希土類関係者が集まったセミナーはなかったのではないかと思います。

特に欧州や米国だけではなく、中国、日本、豪州等のアジアや大洋州の方も大勢集まったセミナーは世界でも初めてのものと思います。

このような会議を東京で開催することができて、大変うれしく思っております」。

REIAの事務局長であるNabeel Mancheri, PhDは次のようにコメントを寄せている。

「It was great conference and thanks for your support, everything went perfect and I applaud all your team members.

Quote “ I am happy that the conference was great success with 300 participants including around 250 foreigners who join us here in Tokyo. The conference touched all aspects of rare earth industry including market, technology and environmental issues. I acknowledge the generous support provided by JOGMEC, MIRU, MURC and JSNM and all their support staff for making the conference a huge success and we looking for looking forward to come back to Japan in coming years”.

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6/19-20 MIRU Rare earth Symposium in Tokyo with 2024 REIA Annual Conference ＆ JOGMEC

REに関する関連機関の年次計画等参考URL。

REIA（Rare Earth Industry Association）