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REIA&JOGMEC&MIRU 国際レアアースシンポジウム2 分離精製、加工プロセスへの投資が必要&中国依存の是非

 

 

 6月19日から虎ノ門ツインタワーで開催されている国際レアアースシンポジウム(REIA 2024ANNUAL CONFERENCE)では国内外からレアアースサプライヤー、マグネットメーカー、マグネットユーザーなど関係者300人が一同に会し、様々なプレゼンテーション、パネルセッションが行われている。前回にも触れたが最重要なテーマとして、各国がレアアース含めた重要鉱物(クリティカルミネラル)に対して施策を講じ、そのプロジェクトに国家的な資金(税金あるいは税控除)を投じている(*それは主に中国以外のサプライソースを得るために)。

 

関連記事:6/19-20 MIRU Rare earth Symposium in Tokyo with 2024 REIA Annual Conference & JOGMEC

     REIA&JOGMEC&MIRU 国際レアアースシンポジウム開催 国内外から300人参集

 

 しかしながら、実際にはレアアース鉱石の採掘は中国以外でできるとしても、酸化物あるいはメタル化にする、さらには磁石などの加工製品に仕上げていくまでには、現状をみるかぎり、中国抜き、あるいは中国企業抜きでは「脱中国」はきわめて困難だということが逆に明らかになったともいえる。それは物量的、技術的、コスト的な問題で。分離精製においてはやはり中国企業に一日の長がある。またメタル化にする際には、フッ化リチウムを大量に使うこともあり、環境リスクも高い。ゆえに日本国内ではレアアースのメタル化は行われていない。

(関連記事

脱中国進むレアアースサプライチェーン(米国→エストニア→日本)しかし米国での精製は行わない理由とは?

 

 米国でもレアアース鉱石を採掘までは行っているが、精製、加工は中国に依存あるいは委託している。この精製加工プロセスに投資すべき、という意見は19日のパネルセッションでも聞かれた。大手磁性材料メーカーのNEOmag社は中国で分離精製を行っており、顧客も中国が最も多い。っまた日本の大同電子との関係も深い。一方で同社はタイでも分離精製は行っており、米カリフォルニアでも分離精製を行う、としている。中国依存を緩和する、という狙い。また従来からエストニアのシルメット工場(シルメットMPM)では磁石製造の拠点とするべく、着々と準備を整えている状況だ。こちらは2025年初頭には立ち上がる予定。

 

 磁石は当然のことながら自動車セクターでの需要が大きいため、自動車業界のニーズを把握することが肝要だが、その自動車業界ではテスラのように、レアアースレスの磁石を使ったモータが搭載されている。ゆえにレアアースの新たなアプリケーションは必要である。

 

 話はもとに戻るが、現状、レアアースの分離精製は多くが中国、か中国企業が進出している国(マレーシアなど)で行われている。日本の最大手磁石メーカーもメタル化はベトナム、の中国企業が行っている。確かに中国のマーケット支配、過剰生産は避けなければならないが、レアアースのサプライチェーンにおいて、中国および中国企業を完全に排除することは現実的に考えて難しく、合理的ではない、と考える。

 

 また中国系磁石メーカーの方とも話したが、彼らも中国政府にはあまり先鋭的な貿易政策や規制はやめてもらいたい、という申し出を出しているという。レアアースにおいてはやはり中国というキーワードは避けられない。しかし西側諸国は中国以外の供給国をなんとか作ろうと必死だ。そして、確かに中重希土類は実は世界中に賦存している。いずれのケースも放射能濃度(ウラン、トリウム)は高い。この放射能を含有した廃棄物の処理、有効活用もさらに議論を詰めていく必要がある。昔からの課題ではあるが。議論は尽きない。また来年も引き続き関係者が一同に会する国際会議を行うべき、だと19日の最後に筆者(Tanamachi)は語った。

 

 

 

(IRUNIVERSE/MIRU TANAMACHI)

 

 

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