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救うのはどっちだ 日産ホンダの統合計画、台湾鴻海の関与も カギは「次世代電池」

 日産自動車とホンダが統合に向けた協議に入ることが12月18日に分かった。経営が悪化する日産に対しては、台湾受託生産大手の鴻海科技集団が買収を提案していたとも伝わる。日本ではホンダの登場は鴻海に対抗するホワイトナイト(白馬の騎士)的との論調が多いが、日産の株主である仏ルノーの意向によっては、鴻海に日産救世の軍配が上がる可能性も残る。

 

■日産ホンダ、統合なら販売台数で世界3位

 

関連記事:ホンダと日産 EV戦略で協業から経営統合を目指さざる得ない時代 | MIRU

 

 日産とホンダの経営統合は、読売新聞はじめ各紙が12月18日に伝えた。報道によると、日産とホンダは12月18日、「日産とホンダ、三菱自動車は、各社の強みを持ち合い、将来的な協業について様々な検討を行っている」とのコメントを出した。両社は近く覚書を結び、持ち株会社の設立時期や出資比率、首脳人事などの協議を進める。持ち株会社を設立し、傘下に両社がぶら下がるかたちで調整し、将来的に三菱自動車も合流する。実現すれば販売台数で世界3位の自動車メーカーとなる。

 

 一方、鴻海をめぐっては、ダイヤモンドオンラインが同日、日産への買収提案を行ったと伝えた。鴻海は言わずと知れたシャープの親会社。日本企業の買収には実績がある。米アップルのiPhoneの組み立てで成長したが、近年はEV事業に積極的で、インドなどにも工場を持つ。台湾では日産への買収提案はむしろ驚きをもって伝えられ、日本の報道を引用しての報道となった。

 

■三人三様に進める電池投資

 

 

 

 統合協議はこれから進むとみられるが、カギとなるのは各社が進める「次世代車載電池」だ。ホンダは12月18日、自社ホームページ上で、「栃木県真岡市にあるパワートレインユニット製造部の敷地・建屋に、自社開発の次世代燃料電池システムの新工場を建設する」と発表した。生産能力は年産3万基。2027年度の始動を目指す。

 

プレスリリース:Honda、次世代燃料電池システムの生産を行う新工場の立ち上げを決定 | Honda 企業情報サイト

 

 同社は栃木県さくら市で、全固体電池のパイロットラインも建設中だ。

 

関連記事:週刊バッテリートピックス 「ノースボルト米破綻」「ホンダが全固体電池ライン公開」など | MIRU

 

 一方の鴻海は台湾南部の高雄で電池センターを建設中。12月9日には、英スタンダード・チャータード銀行から22億台湾ドル(約104億円)の融資を獲得したと発表した。

 

プレスリリース:鴻海與渣打簽署22億元綠色貸款 打造高雄電池中心永續綠建築 - 鴻海科技集團

 

 そして日産も、11月に三菱商事との間でEV関連の新会社設立を検討していると伝わった。EVを住宅や送電網とつなぎ、車にためた電力を自宅で使ったり、電力会社に売電したりするサービスを検討するとされた。

 

関連記事:週刊バッテリートピックス 「TDK中期2倍の増益」「旭化成とHondaカナダで合弁」など | MIRU

 

 次世代の車載電池は次世代EVとなるだけに、各社は開発に余念がない。日本は全固体電池に強みを持つが、それだけで海外の株主が納得するかはまだわからない。次世代電池といっても種類が多く、どこに商機があると判断されるかは未知数だからだ。自動車産業はすそ野が広く、電池材料をはじめ金属分野にも影響が大きい。成り行きは注視が必要だろう。

 

 

(IR Universe Kure)

 

 

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