エンビプロ、荏原環境プラントが実施するケミカルリサイクル実証事業で連携
廃プラスチック類をはじめとする様々な廃棄物を対象としたケミカルリサイクルの創生を目指す
株式会社エンビプロ・ホールディングス(本社:静岡県富士宮市、代表取締役社長:佐野 富和)ならびに連結子会社である株式会社ブライトイノベーション(本社:東京都中央区、代表取締役社長:中作 憲展)及び荏原環境プラント株式会社(本社:東京都大田区、代表取締役社長:山田 秀喜)は、12月26日、荏原環境プラントが実施中のケミカルリサイクルの実証事業に対し、原料となる産業廃棄物の調達管理をエンビプログループが担うことで合意したと発表した。
実証事業フロー
同事業では荏原環境プラントが独自技術である「ICFG(R)内部循環流動床ガス化システム」の実証プラントを千葉県内に建設し、1日当たり約1トンの廃プラスチック類を熱分解することで生成される油やガスがプラスチックの製造原料として活用可能であることを実証する。
エンビプログループは、将来のケミカルリサイクルの社会実装に向けた取り組みの一環として原料の廃プラスチック類の提供及び調達管理を担うことで同事業を支援。
荏原環境プラントは、廃棄物資源循環ソリューションプロバイダとして、特にマテリアルリサイクルを行いづらい廃プラスチックの資源循環技術の社会実装に向けた開発を進めており、同事業の成果を基に2030年までにケミカルリサイクルの商用化を目指している。
「プラスチックに係る資源循環の促進等に関する法律」の適用や「資源循環の促進のための再資源化事業等の高度化に関する法律」の具体的な活用を念頭に置いたプラスチックの資源循環をケミカルリサイクルで実現することで、2050年カーボンニュートラルにも貢献していく。
また、様々な立場の企業や自治体、学会と議論する場を設け、実証事業の成果を見極めながら、官民連携を軸に2030年を目途にICFG等の技術によるケミカルリサイクルの社会実装を実現することに具体的に取り組んでいく。
■背景
プラスチックは、現代の社会に不可欠な素材である一方、2050年カーボンニュートラルの実現や海洋プラスチック汚染等環境課題が顕在化しておりプラスチックの資源循環の加速が求められている。課題解決のためには、マテリアルリサイクルやケミカルリサイクルの技術の発展及び市場の創出が必要。ケミカルリサイクル技術は未だ確立されていないのが現状であり、廃プラスチック類のケミカルリサイクル技術の確立が期待されている。
■実証事業概要
・期間
(現在実施中~)令和8年3月まで
・場所
千葉県袖ケ浦市内
・概要
雑多な廃プラスチックを分別、洗浄、成形等の前処理無しで油やガスとして回収可能な内部循環流動床ガス化システム(ICFG(R))技術を用いて、廃プラスチックのケミカルリサイクルの実証を行う。同実証試験では、ケミカルリサイクルの社会実装実現に向けて、様々な廃棄物により生成油の品質把握や品質向上、ガス化(オレフィン化)に向けた試験、安定した連続稼働への知見の蓄積等を行っていく。
・摘要
同事業は、「環境省令和5年度二酸化炭素排出抑制対策事業費等補助金 脱炭素型循環経済システム構築促進事業(うち、プラスチック等資源循環システム構築実証事業)」(荏原環境プラントにて申請済み)に採択されている。
■今後の展望
同事業は、中長期的にエンビプログループの業績及び企業価値の向上に資するものと捉え、エンビプログループは、サプライチェーンと連携したCO2排出量削減と、最適な資源循環の実現に貢献していく。
(IR universe rr)
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