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ロシア・ガスプロムと決別した会社―オーストリア・OMV AGの地熱利用計画

 オーストリア在住の友人が年末に来日し、今年のウイーンは寒く、燃料費が高騰しているとこぼしていた。ロシアの国営ガス会社ガスプロムと欧州で最初にロシア産天然ガスを契約した会社がオーストリアのOMV AGである。オーストリアはウクライナ戦争が始まる前までは、EU域内で最もガスプロムに依存した国であり、そのエネルギーの90%をロシア産天然ガスに頼ってきた。

 

 しかし昨年夏からガスプロムとの契約上の不履行に関する仲裁訴訟などが起こり、ロシア産ガス依存体制から脱却する試みが始まった。オーストリアは実は非常に日本に類似した国である。周囲が山に囲まれ、石油やガスなどエネルギー資源を持っていない。その為、これまで長い期間ロシア産天然ガスや石油に依存してきた。

 

 日本では、筆者の若い時に勤務していた会社が地下のエネルギー源の開発で地熱発電や地下のエネルギーを使って温水で供給する事業に長年実績を上げてきたが、オーストリアでもOMV AG社がロシア産エネルギーに決別し、エネルギーの多様化を図る覚悟での新たな挑戦が始まったと2月24日のニューヨークタイムズが報じている。今後3~4年後に新たな地熱供給が始まるだろう。

 

 同社のHPでは4TWh(テラワット・アワー:10億ワット時)の地熱エネルギーを2030年までに実現するとしている。また、ロシア産天然ガスの代わりをノルウェー産やルーマニア産の天然ガスの開発に求めるとしている。特にルーマニアの天然ガスのプロジェクト「Neptun Deepプロジェクト」はEU最大の天然ガスプロジェクトであり、1000億m3の天然ガスが2027年から供給されると期待されている。

 

 

(Katagiri)

 

 

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