環境省 経産省 同時発表 GX推進法及び資源法の一部改正案を閣議決定
環境省と経産省は、2月25日「脱炭素成長型経済構造への円滑な移行の推進に関する法律及び資源の有効な利用の促進に関する法律の一部を改正する法律案」が閣議決定され、現在開会中である第217回通常国会に提出される予定だと発表した。
以下、リリース内容。
1.法律案の趣旨
2023年度成立の「脱炭素成長型経済構造への円滑な移行の推進に関する法律」に基づき、我が国では、2050年カーボンニュートラルの実現と経済成長の両立(GX)を実現するための施策として、成長志向型カーボンプライシング構想の具体化を進めています。 <br> 脱炭素成長型の経済構造への円滑な移行を推進するため、成長志向型カーボンプライシング構想を具体化するためのカーボンプライシングと、GXを推進する柱の一つとなるサーキュラーエコノミーの実現に向けた制度の基盤を整備します。
2.法律案の概要
(1)脱炭素成長型経済構造への円滑な移行の推進に関する法律の一部改正
① 排出量取引制度の法定化
2026年度(令和8年度)から、二酸化炭素の直接排出量が一定規模以上の事業者に対して、排出量取引制度に参加することを義務付け、業種ごとの特性等を考慮した政府指針に基づき、排出枠を無償で割り当てます。その上で、制度対象事業者に対して、排出枠の割当に係る年度の翌年度に排出量実績の報告及び実績と等量の排出枠の保有を義務付けます。
加えて、割り当てられた排出枠と排出実績の過不足分について、事業者間で取引できる市場を整備し、排出枠の上下限価格を設定することで、取引価格の安定化のために必要な措置を講じます。
② 化石燃料賦課金の徴収に係る措置の具体化
2028年度(令和10年度)から適用開始する化石燃料賦課金の執行のために必要な支払期限・滞納処分・国内で使用しない燃料への減免等の技術的事項を整備します。
③ GX分野への財政支援の整備
脱炭素成長型経済構造移行債の発行収入により、戦略分野国内生産促進税制のうち、GX分野の物資に係る税額控除に伴う一般会計の減収を補填することができるものとします。
(2)資源の有効な利用の促進に関する法律の一部改正
① 再生資源の利用義務化
再生資源の利用義務を課す製品を指定し、生産量が一定規模以上の製造事業者等に対し、当該製品における再生資源の利用に関する計画の提出及び定期報告を義務付ける措置を講じます。
② 環境配慮設計の促進
資源有効利用・脱炭素化の促進の観点から、特に優れた環境配慮設計(解体・分別しやすい設計、長寿命化につながる設計等)の認定制度を創設します。
③ GXに必要な原材料等の再資源化の促進
事業者による回収・再資源化が義務付けられている製品について、高い回収目標等を掲げて認定を受けた事業者に対し、廃棄物処理法の特例措置(適正処理の遵守を前提として業許可不要)を講じます。
④ サーキュラーエコノミーコマースの促進
シェアリング等のサーキュラーエコノミーコマース事業者の類型を新たに位置付け、当該事業者に対し、資源の有効利用等の観点から満たすべき基準を設定します。
(IR universe rr)
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