2025年9月初めまでのバナジウム価格は底堅い展開となっている。五酸化バナジウムが9か月ぶりの高値に上昇。ほぼ5年ぶりの安値圏にあるフェロバナジウムも下げ止まった。合金向け需要の持ち直しが伝わり、五酸化バナジウムの供給が不足気味との見方が浮上し価格を押し上げている。
■五酸化バナジウム9カ月ぶり高値、フェロバナジウムも下げ止まる
過去3か月間の五酸化バナジウム価格の推移(V205 fob China)($/lb Vo205)
五酸化バナジウムは8月21日に仲値$4.84lbと、2024年11月下旬以来およそ9か月ぶりの高値を付けた。7月上旬に$4.355まで下げたがこの水準を底に安値拾いの買いが入っている。
Ferroalloy.netは8月29日までの週刊レポートで、「バナジウム窒素合金鋼の入札が好調で、五酸化バナジウムフレークの需要改善期待に結び付いた」と伝えた。五酸化バナジウムのメーカーはこれまでの市況軟調を背景に生産を絞って来たケースがあり、供給が細っているとの見方が浮上しているという。
過去3か月間のフェロバナジウム価格の推移(V78%min US$/kg EU)($/kg)
鉄鋼向けのフェロバナジウムも底堅い。8月28日に仲値$23.65/kgを付けた。8月7日に$23.4まで下げたがこの水準で底を打ち、7月末の水準まで戻した。ただ、中期的には既に2020年夏以来の安値水準にあり、反発が本格的かどうかは現時点では見極めづらい。
<Topics>
9月2日
スイス資源大手グレンコアは9月1日、南アフリカ共和国にあるステンバーグフェロクロム製錬所とバナジウム事業でリストラを開始したと明かした。ロイター通信が9月2日に伝えた。停電や電気料金の上昇で生産停止が続いていたという。
8月23日
磁石同志の会であるNS会が8月23日、東京・日暮里で開催された。通算では15回目の開催となった。
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(IR Universe Kure)