IRRSG主催の「バッテリーサミット2020」が1月30日、都内・学士会館にて開催され、リチウムイオン電池でノーベル化学賞受賞の吉野彰氏は受賞記念講演として、授賞式で行われたプレゼンテーションを再現。会場を満席にした200人余りの参加者が、当日72回目の誕生日を迎えた吉野氏を祝うと共に、ノーベル化学賞受賞の祝賀ムードに包まれた。
(吉野先生に花束を渡すSQMjapanの有森さん)
(吉野先生が最も好んでいる日本酒、鄙願(ひがん)を渡すのは太陽特殊金属の小川社長。大阪に来た際には北新地をご案内します!)
(サプライズで吉野先生に花束を渡すちびっ子は?たなまちはるとです!)
《第2部パーティにて》
●吉野彰氏の冒頭メッセージより(一部)
ノーベル化学賞受賞のタイトルが「リチウムイオン電池の開発」であったことは、実は前代未聞のこと。通常は一般名詞で表現されるところを、LIBつまり製品名「リチウムイオン電池」と記載された。この流れで日本の産業界が世界を制覇できたら素晴らしい。2025年がリチウムイオン電池の勝負の年となるだろう。
《参加者からのコメント》
「バッテリーサミット2020」に参加しての感想コメントをいただいた。
●リサイクル事業を行っている。吉野氏の話を聞いて、ただ目の前のリサイクル事業をするだけでなく、より広い視野をもって社会貢献にコミットしていこうと思った。
シンポジウムの中では、原田氏のリチウムイオン電池の技術におけるライフサイクルアセスメント(LCA)の講演が興味深かった。この5月に行われるというデータ活用による結果発表が楽しみだ。
●技術開発を行っている。世界で初めてLIBを商品化した西氏による講演が勉強になった。組織の中では上司からの指示に疑いなく従ってしまいがちだ。きちんとしたエビデンスを根拠に納得した上で技術開発を行うこと。反論する場合は、根拠を提示するアクションを自ら起こすことが大切だと感じた。
●大学在学中に、吉野氏と同じくリチウムイオン電池の負極を研究していた。酸化チタンを使った研究だった。当時は吉野氏の論文を読んで参考にしていたので非常に感慨深い。吉野氏はお話も分かりやすいが、論文もインスタレーションに関する部分などがとても分かりやすく書かれていたことを思い出した。
●ノーベル賞を受賞した吉野氏に会えたのが、とにかく嬉しかった!モバイルITに関心があったので、リチウムイオン電池に関連する色々な講演はどれも面白かった。
●ベルギーから来日したユミコア社が興味深かった。バッテリー以外にも20種以上の資源を取り扱うのは、リサイクルシステムの事業化の採算をとるためだろうと考えた。国内だけでなく、海外からも登壇があったのがよかった。
●原田氏のライフサイクルアセスメント(LCA)が面白かった。いまの欧州のLCAは甘く見積もられているところが分かりやすかった。背後にある環境負荷「エコロジカルリュックサック」にも向き合うことが、今後ますます求められると感じた。
●吉野氏の人柄にふれ、あらためて素晴らしい方だと感動した。以前のサミットでもお会いしたが、その時と全く変わらない。気さくで丁寧なところが素敵な吉野氏に会いに、来年もまた参加したい。
*コメントにご協力くださった皆様ありがとうございました。
(取材・文 IRUNIVERSE FukuiN 写真:TBSnews石黒さん)