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ダイセキ環境ソリューション(1712) 24/2Q2決算説明会メモ ニュートラルに変更

24/2期工事順調、M&A効果もあり再増額し32.2%増収85.6%営利増予想と最高益更新へ

株価1122円(10/3) 時価総額189億円  発行済株16,827千株

PER(24/2期DO11.8X)PBR(1.19X)配当(24/2予)10円  配当利回り:0.9%

 

要約

・24/2Q2は全地域で土壌処理上振れ74.7%増収、営利3.2倍、上期で最高収益更新

・24/2期Q2増額受け再増額し32.2%増収85.6%営利増予想で16/2期抜き最高益更新予想

・大幅減額した現中計前の旧中計目標の25/2期に売上高227億円は視野に

 

 

24/2Q2は全地域で土壌処理上振れ74.7%増収、営利3.2倍、上期で最高収益更新

 

 汚染土壌調査から浄化処理まで一貫事業展開するダイセキグループの一員。10/2に24/2Q2決算が開示され、10/3に決算説明会が実施された。24/2Q2は売上高69.91億円(6/30増額修正予想比24.02億円増額、74.7%増)、営業利益8.50億円(同4.50億円増額、3.2倍)と、Q1で増額した数字をさらに上回り大幅増額で着地した。Q1比較では5.3%増収、4.6%営利減も、売上高では過去最高、営業利益もQ1に次いで過去2番目に高い数字となった。ちなみに24/2H1は売上高136.32億円(85.2%増)、営利17.41億円(3.8倍)となり、半期で過去最高収益更新となった。

 

 事業別では主力の土壌汚染調査・処理事業が売上高57.39億円(75.6%増)、営利18.28億円(5.8倍)となった。中京エリアでは工場再開発案件でリサイクルセンターの稼働が高水準で推移、関東は大規模工場地中埋設廃棄物・汚染土壌撤去工事、関西では大規模工場廃棄物撤去コンサル案件などが期予、全地域で土壌処理上振れとなり、高付加価値サービスも増加しMIX良化も有り利益上伸に。なお土壌処理量は31.4万トン(39.6%増)と過去最高処理トン数となったが、浄化処理トンは7.6万トン(0%増)と、浄化できない大型土壌処理が含まれている点で22年2月期と比較しピーク越えとナはならなかった。

 

 今回、Q2より杉本商事の事業が連結されたため、資源リサイクル事業として事業開示が変更され、資源リサイクル事業として売上高は12.52億円(70.6%増)、営業利益2.15億円(38.8%増)となった。なお杉本商事を除くでは売上高7.64億円(4.1%増)、営利1.65億円(6.5%増)推定。この内、廃石膏ボード・リサイクル事業は売上高5.49億円(1.1%減)とユーザー先の吉野石膏で落雷被害から一次受入中止となったがほぼ計画線で推移、生産性向上で増益確保。その他事業は売上高2.15億円(20.1%増)とPCBは好調もバイオディゼルが見かけ増もコスト高で利益は低迷。

 

 全体として土壌処理の大幅増額で収益上伸が続いた。

 

24/2期Q2増額受け再増額し32.2%増収85.6%営利増予想で16/2期抜き最高益更新予想

 

 23/2Q1、Q2の好調、Q2からの杉本商事の連結を踏まえ、6/30の増額修正予想を再増額した。24/2期予想は売上高217.08億円(期初計画比47.08億円増額、6/30増額修正比33.13億円増額、32.2%増)、営業利益25.51億円(同9.60億円増額、同5.14億円増額、85.6%増)、経常利益25.77億円(同9.77億円増額、同5.36億円増額、82.3%増)、税引利益15.21億円(同6.30億円増額、同3.43億円増額、2.1倍)予想とした。同再増額修正予想は16/2期の売上高190.86億円、営業利益25.17億円を抜き、過去最高収益予想となる。加えて中計予想の26/2期売上高201.13億円、営業利益18.81億円予想を凌駕する予想数字となっている。しかも再増額修正予想から杉本商事分を控除しても売上高213.08億円、営業利益24.51億円となり、やはり26/2期中計の前倒し達成となる見通し。 

 

 事業別では土壌汚染調査・処理事業が売上高168.10億円(期初計画比34.34億円増額、6/30修正予想比19.90億円増額)予想、営利の開示はないが、計画比4.4億円増額とのこと。基本的に上期の増額分のみ増額修正予想となっている。増額の中身は一般処理で売上高11.32億円、営利で3.9億円、インフラ関連で売上高3.3億円、営利0.21億円、調査関連で売上高5.27億円、営利0.29億円増額と、大半の増額は一般処理の増額とのこと。現状、中部、関東について大型工事が一巡するとして下期は大幅減予想。但し、多少控え目な予想としているとのこと。

 

 資源リサイクル事業は売上高48.98億円(同13.4億円増額、同14億円増額)と、杉本商事14億円を加えて基本的にその他は変更無し。廃石膏ボードは24.56億円(同変更無し、同変更無し6.3%増)、その他は10.42億円(同1.46億円減額、同変更なし、28.8%増)予想で、杉本商事14億円(6/30計画比1億円増額)となっている。杉本商事については古紙事業が不振も、猛暑でペットボトル処理が計画を上回っており、多少控え目な予想となっているとのこと。

 

 全体として、会社計画を若干上回る収益が見込まれ、24/2Q3決算発表時には再々増額修正のアナウンスも期待される。

 

 同社は中期計画を毎年スクロールしており、22年4月の期初発表において、24/2期に売上高206億円、営利29.9億円、25/2期に売上高227億円、営利34.9億円を目標としていた。しかしその後、リニア新幹線の工事遅れ、首都圏では調布市での大深度トンネル工事における陥没・空洞事故発生で外環などの大型工事の遅れ、工事の計画変更、関西圏もコロナ影響から2025年開催の万博が期待外れの様相などで23/2期は能力増強の中で売上が伸びず収益が失速した。この23/2期を元に23年4月策定の中計では25/2期まで収益停滞を想定、25/2期に売上高187.36億円、営利17.45億円、26/2期に売上高201.13億円、営利18.81億円を目標として掲げた。また同社は首都圏での大型案件受注が見込めないとして、新中計の策定と合わせて「スタンダード市場」に市場変更する事を選択した。但し既存事業に加えM&Aや新規事業開発、新工場建設推進などで5年後を目処に「プライム市場」への変更上場を狙うとした。

 

 現状、コロナ禍の一巡、再開発の進展などがあり、23/2期の遅延案件の回復も加わり、能力増強の効果も加わり、24/2期は期ずれ分も含め想定を大きく上回る売上計上で収益伸長している。加えて杉本商事の買収も有り、大きく中計を上回る予想となった。

 

 今後、国内では九州地区中心に半導体関連の大型投資が見込まれる他、遅れている万博関連も駆け込み需要が想定される。但し、建設業に従事する労働力の慢性的な不足、加えて建設業の2024年問題として言われている時間外労働の上限規制適用もあり、建設工事の遅れが慢性的に生ずるリスクがある。また中央リニア新幹線の遅延も続いている他、万博が空振りとなる懸念もあり、土壌処理事業について25/2期は24/2期の大幅伸び率鈍化もありえるため、収益動向には注意を要しよう。

 

 株価は6/30の大幅増額修正を受けて上昇、7/10には1445円の年初来高値を付けたものの、その後は反落していた。今回10/2は再増額修正、最高益更新予想にも係わらず、10/3株価は前日比5.6%ダウンの1122円(全体相場TOPIX1.68%下落)と冴えない動きとなった。現状、再増額修正の24/2期会社予想EPS90.49円に対しPER12.4倍は東証プライム建設平均PER15.0倍に対し割安であるが、移行するスタンダード建設平均PER11.1倍に対して割安感はない。今後、再度増額修正が期待されるものの下期は減速が見えており、25/2期は伸び悩むリスクもある。最高益更新を評価するものの株価評価は従来のややネガティブからニュートラクに引上げるに止めたい。

 

 

 

(H.Mirai)

 

 

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