2023年9月 SUSスクラップ輸出入統計分析 輸出は2010年以降最高 初の4万トン台
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為替相場推移 TTS 3か月
(輸出分析)
数量面では、9月単月で2010年以降過去最高、大幅に2カ月増加の、4万1863トン、前月145比%、前年同月比243%、1-9月累計23万7498トン、前年同期比142%。韓国向けが、減少の5073トン、前月比89%、前年同月比97%、1-9月累計6万4079トン、前年同期比84%、台湾向けは大幅に2カ月連続増加の7237トン、前月比157%、前年同月比706%、1-9月累計3万9534トン、前年同期比180%、タイ向けで、2カ月連続増加の3110トン、前月比124%、前年同月比171%、1-9月累計2万3555トン、前年同期比113%、インドむけが3カ月連続増加の5077トン、前月比120%、前年同月比430%、1-9月累計2万3555トン、前年同期比244%。インドネシア向けは前月の20カ月ぶり実績からふたたび0トンへ、中国向けは大幅に2カ月連続増加の1万9358トン、前月比187%、前年同月比260%、1-9月累計7万6237トン、前年同期比220%。「その他」2008トンのうち1517トンがシンガポール向け。相変わらず1-9月累計では、従前最大手の韓国向けが停滞に対し、中国・台湾・インド向けの隆盛が顕著となっている。(表―1、グラフ―1)。
数量構成では8月→9月で、韓国向け20%→12%、中国向け36%→46%、台湾向け16%→17%、タイ向け9%→7%、インド向け15%→12%と中国向けが2カ月連続急上昇、韓国向けは2カ月連続大幅後退(グラフ―2)。
金額的には、9月単月で2カ月連続大幅増加、2010年1月以降最高の69億46円、前月比143%、前年同月比222%、1-9月累計404億15百万円、前年同期比128%(表―2、グラフ―3)
FOB推移は全体平均では、前月キロ168円から166円へ小反落。円安進行からするとドル建てでははっきり下落したものと思われる。韓国向けが前月207円から207円へ横ばい、中国向けが、前月175円が165円へ続落、台湾向けが前月189円から204円へ反発。タイ向けが87円から86円へ反落、インド向け148円から146円へ反落。LMEニッケル相場は5カ月続落の20,498ドル→19,629ドル、国内304系スクラップはよこばいの、185円→185円となった。(グラフ―4,5)。
(今後の注目点)
前回予想では、9月は円安傾向継続で単価は平均で170円前後、数量は2万5000トンから3万トンのレンジになりそうだとしたが、数量は中国などの増勢継続で大幅に上振れした。中国系の動きが活発、10月も2万トン前後の輸出となれば、総量も4万トン前後になりそうだ。
主要税関数量・FOB実績 ( )内は前月実績
横浜 9,625 トン ¥152 ( 6,300 トン ¥132 )
戸畑 3,345 トン ¥198 ( 2,139 トン ¥198 )
石巻 2,023 トン ¥65 ( 1,200 トン ¥180 )
川崎 4,462 トン ¥196 ( 1,334 トン ¥201 )
大阪 1,570 トン ¥245 ( 3,418 トン ¥225 )
東京 4,095 トン ¥185 ( 3,100 トン ¥181 )
名古屋 4,478 トン ¥149 ( 2,937 トン ¥116 )
主要国別税関別数量・FOB実績 ( )内は前月実績
台湾 横浜 1,955 トン ¥199 ( 379 トン ¥194 )
直江津 0 トン ( 1,419 トン ¥198 )
徳山 0 トン ( 2,260 トン \195 )
東京 2,281 トン ¥220 ( 0 トン )
韓国 戸畑 1,140 トン ¥207 ( 1,570 トン ¥204 )
三河 1,001 トン ¥206 ( 0 トン )
川崎 2,261 トン ¥202 ( 0 トン )
大阪 172 トン ¥286 ( 1,334 トン ¥201 )
直江津 0 トン ( 1,324 トン ¥235 )
中国 横浜 2,399 トン ¥195 ( 1,317 トン ¥181 )
戸畑 1,325 トン ¥193 ( 569 トン ¥180 )
三河 0 トン ( 1,255 トン ¥198 )
石巻 2,023 トン ¥65 ( 0 トン )
仙台塩釜 102 トン ¥204 ( 1,200 トン ¥180 )
千葉 0 トン ( 1,917 トン ¥132 )
川崎 2,201 トン ¥190 ( 0 トン )
尼崎 0 トン ( 800 トン ¥175 )
名古屋 1,415 トン ¥176 ( 0 トン )
門司 470 トン ¥116 ( 807 トン ¥138 )
インド 横浜 1,757 トン ¥159 ( 1,533 トン ¥161 )
三河 402 トン ¥120 ( 0 トン )
東京 726 トン ¥127 ( 0 トン )
徳山 0 トン ( 687 トン ¥139 )
名古屋 1,564 トン ¥134 ( 0 トン )
門司 125 トン ¥108 ( 1,087 トン ¥103 )
タイ 横浜 1,745 トン ¥81 ( 1,478 トン ¥84 )
インドネシア 横浜 0 トン ( 502 トン ¥58 )
(輸入分析)
数量面では、9月単月で10カ月ぶり増加の1901トン、前月比119%、前年同月比59%、1-9月累計2万4032トン、前年同期比51%。国内需要の低迷が続く。主要輸入先3国では、韓国がよこばいの737トン、前月比101%、前年同月比60%、1-9月累計1万0319トン、前年同期比52%、台湾が2カ月連続増加の353トン、前月比131%、前年同月比47%、1-9月累計4969トン、前年同期比34%、米国が2カ月連続減少の271トン、前月比86%、前年同月比42%、1-9月累計3108トン、前年同期比76%。「その他」540トンの主成分は、シンガポール122トン、タイ83トン、といったところ(表―3 グラフ―6)。
数量構成では、前月→当月で、韓国が45%→39%、台湾17%→19%、米国20%→14%、「その他」で18%→28%。(グラフ―7)。
金額的には、9月単月で8か月ぶり増加の6億53百万円、前月比143%、前年同月比68%,1-9月累計87億86百万円、前年同期比56%(表―4、グラフ―8)。
CIF推移は全体平均で、前月285円から大幅に5カ月ぶり反発の344円。主力韓国品が285円から急反発368円、台湾品が214円から284円と大幅反発、米国品が402円から348円へと4カ月ぶりに反落。円安進行からすると、ドルベースでは小幅な上昇だったろう。一方9月の指標LMEニッケルは5カ月続落の20,498ドル→19,629ドル、国内310系は続落450円→430円。(グラフ―9)。
(今後の注目点)
前回、9月も数量的に1,000-1,500トンレンジ、単価は円安傾向継続のなか250円前後ではないかとしたが数量は上振れ、単価は300円台まで突き抜けた。10月は数量は1500トン~2000トン、単価300円台か。
主要税関数量・CIF実績 ( )内は前月実績
横浜 586 トン ¥479 ( 429 トン ¥422 )
徳山 741 トン ¥229 ( 766 トン ¥200 )
門司 240 トン ¥137 ( 253 トン ¥151 )
主要国別税関別数量・CIF実績 ( )内は前月実績
台湾 徳山 181 トン ¥194 ( 141 トン ¥155 )
名古屋 63 トン ¥340 ( 35 トン ¥345 )
韓国 徳山 538 トン ¥234 ( 625 トン ¥210 )
米国 横浜 192 トン ¥244 ( 230 トン ¥293 )
(IRUNIVERSE S. Aoyama)
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