週刊バッテリートピックス 「台湾総統に民進党頼氏」「中国の電池販売3割増」など
2024年1月8日~1月14日のバッテリー業界では、バッテリー材料や半導体企業の集積地である台湾の総統選挙への注目が高かった。また、中国の2023年の新車販売やバッテリー販売が発表になり中国の新エネルギー車政策にも注目が集まった。
<国内>
●日本鉱業協会「資源の確保、素材の安定供給を」
日本鉱業協会は1月10日、東京都内のホテルで、4年ぶりとなる「日本鉱業協会2024年賀詞交歓会」を開催した。冒頭挨拶に立った野崎明会長は、「協会の社会的使命である資源の確保、素材の安定供給を継続的に果たしていくために将来に向けた課題に着実に取り組んでいくことが肝要」と2024年の活動の舵取りについて抱負を語った。
関連記事: 「資源の確保、素材の安定供給を継続的に果たしていきたい」――日本鉱業協会2024年賀詞交歓会 | MIRU (iru-miru.com)
●PXP、薄膜系太陽電池の量産技術の検証開始
フレキシブル(柔軟性のある)薄膜系太陽電池の開発を手掛けるベンチャー企業であるPXP(神奈川県相模原市)は1月5日、薄膜系太陽電池の量産技術検証のためのパイロットラインが完成し、2024年から稼働したと発表した。
同社は、ペロブスカイトとカルコパイライト系薄膜太陽電池のタンデム(積層)構造を用いた「曲がる太陽電池」を研究開発している。今回完成したパイロットラインでは、まずはボトムセル(発電素子)となるカルコパイライト系薄膜太陽電池を量産化する。
<海外>
●台湾総統選、民進党の頼清徳氏が当選
台湾で1月13日、総統選挙の投開票が行われ、与党民進党の頼清徳氏が当選した。得票率は頼氏が558万票(40.1%)、国民党の侯友宜氏は466万票(33.5%)、民衆党の柯文哲氏は368万票で(26.4%)だった。
一方、同日行われた立法院委員選挙では、民進党は議席を減らし、少数与党に転落した。獲得席数は国民党52席、民進党51席、民衆党8席、無所属2席だった。
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●中国のバッテリー販売量、23年は32%増 LFPが7割
中国汽車動力電池産業創新聯盟が1月11日に発表した中国の2023年の動力電池の販売量は前年比31.6%増の387.7ギガワット時(GWh)だった。このうちリチウム鉄イオン(LFP)が42%増えて全体の67.3%を占めた。三元電池は14.3%増で、全体の332.6%を占めた。
企業別では、寧徳時代新能源科技(CATL)が全体の44.5%を占めシェアトップ。BYDが23%、中創新航科技集団(CALB)が6%だった。
●中国、新エネ車を27年に45%に
中国国務院は1月11日、ホームページ上で、中国共産党と共同で国家として環境保護を進めるとの方針を発表した。この中で、新エネルギー車の自動車全体に占める比重を45%まで高めると発表。同日に中国汽車工業協会が発表した中国の2023年の新エネ車のシェアは31.6%だった。
関連記事:中国、新エネ車比重を27年に45%に 23年のシェアは32%、前年比38%増の950万台 | MIRU (iru-miru.com)
●シンガポールのGreen Li-ion、リサイクル前駆体を韓国に輸出へ
シンガポールに本拠を置くリチウムイオン電池のリサイクルを手掛ける新興企業であるGreen Li-ionは1月12日、リンクトインに、NMC811の完全リサイクルされた前駆体「GreenpCAM」の提供を韓国の事業者向けに行う用意が出来たと投稿した。
関連記事:Green Li-ion 100%リサイクルされたLIB前駆体を提供可能と表明 | MIRU (iru-miru.com)
●モロッコ、中国BIRの新工場で正極材の大量生産国へ
調査会社のベンチマーク・インテリジェンスはこのほど、モロッコが正極材の生産国大手となる見通しを発表した。2023年12月28日に中国の正極材大手メーカーである貝特瑞新材料集団(BTR)が同国での工場建設を発表したことを受けた。ネットメディアのワールド・エネルギーなどの外電が1月8日に伝えた。
BTRは中国国有の鉄鋼大手である宝武集団のグループ企業で、米テスラなどに製品を提供する。2023年末、モロッコのタンジール州タンジール・テクノパーク・シティに35億3500万元(約714億円)を投じ、年産5万トンのリチウムイオン電池用正極を建設すると発表していた。
プレスリリース(英語):BTR New Material Group Co., Ltd. (btrchina.com)
モロッコは欧米と自由貿易協定(FTA)を結び、米インフレ抑制策(IRA)による中国企業への規制の影響を受けない。また、リン酸塩埋蔵量は最大500億トンで、世界全体の71%を占める。
(IR Universe Kure)
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