積水化成 発泡スチロールの水平リサイクル実証事業を開始
「エスレンビーズ RNW」設備投資を伴うリサイクル新事業が「環境省 令和 5年度 脱炭素型循環経済システム構築促進事業」に採択
3月12日、積水化成品工業株式会社( 本 社:大阪市北区西天満2-4-4 社長: 柏原正人)は、水平リサイクル ※1「発泡スチロール to 発泡スチロール」の実証事業を開始したと発表した。
物流資材や断熱材として広く普及する発泡スチロールは 、1970 年代から業界全体でリサイクル活動に取り組み、国内リサイクル率は 92. 8 %(2022 年度実績 ※2)に達していう。今後は、資源の有効利用や CO2排出量削減の観点から、マテリアルリサイクル比率(51.8%)をさらに引き上げる必要があり、額縁やボールペンなど非発泡プラスチック製品へのカスケードリサイクルを行うだけでなく、水平リサイクルの普及拡大が重要になる。
積水化成品グループは、繰り返しリサイクルが可能な原料「エスレンビーズ RNW」(再生原料を使用した発泡ポリスチレンビーズ )の量産化に向け、実証事業を開始、使用済み発泡スチロールを、インゴット(溶解減容処理後の塊)からペレット(粒状樹脂)化し、スチレンモノマーと重合含浸させて、発泡スチロールの原料である「エスレンビーズ RNW」に再生するスキームを構築し、令和8年度の実用化を目指している。
この取り組みは「環境省令和5年度脱炭素型循環経済システム構築促進事業(うち、プラスチック等資源循環システム構築実証事業)」に採択されている。
「エスレンビーズ RNW」の製造時に品質調整を行うことで、バージン原料と同等品質の再生原料を量産化する技術を確立し、工業物流資材や土木関連の各種製品への再生を目標とする。その後、安全性や品質への検証を進め、食品容器や魚函など食品関連材への採用も想定していく。
積水化成品グループは、創業以来培ってきた発泡・重合技術を進化させるとともに、環境と共生するモノづくりを展開し、令和5年2月には発泡スチロール使用量の約 50%を占める食品関連材の臭気除去技術を確立するなど、水平リサイクルに向けた技術開発を進めてきた。
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(IR universe rr)
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