Loading...

2026年1月チタンスクラップ輸出入統計分析 輸出入とも低調、供給過剰続く

2026/03/28 16:51
文字サイズ
2026年1月チタンスクラップ輸出入統計分析 輸出入とも低調、供給過剰続く

関連記事
【貿易統計/日本】 2026年1月のチタンスクラップ輸出入統計

 

レアメタル系スクラップ市場近況2025#12 中国の影響で上がるタングステン、下がるステンレス
レアメタル系スクラップ市場近況2026#1 ほぼ全アイテムで横ばいもタングステンやニッケル系は強含み
レアメタル系スクラップ市場近況2026#2 Ni相場上昇でHIGHNi系は全面高 超硬スクラップは1万円台定着、チタン系は供給過剰で停滞続く モリブデンは急騰
レアメタル系スクラップ市場近況2026#3 Ni,Co系は概ね横ばい W系はさらに続伸 タンタル急騰!波乱含みのRMscrap

為替相場推移 TTS 3か月

純チタン板スクラップ・合金チタンスクラップ国内相場推移(JPY/KG) 1年

(輸出詳細分析)
■数量では、1月単月は403トンと前月(535トン)から減少し、前月比75%、前年同月比82%とともに前年を下回った。前月までの横ばい圏から一転し、年初は弱含みのスタートとなった。
主力の米国向けは183トンで、前月比84%と減少、前年同月比も84%と低下。引き続き主力ではあるものの、数量面では力強さを欠く動きとなっている。
英国向けは1月も実績ゼロ(0トン)で、供給の途絶が継続。
「その他」向けは220トンで、前月比69%と減少、前年同月比も81%と低下した。前月まで見られた分散的な伸びは一服し、全体の押し下げ要因となった。
総じて、1月は全仕向け地で減少が重なり、年末にかけての持ち直しの流れが一服。米国依存構造は維持されつつも、「その他」を含めた広範な減速により、需給はやや軟調に転じた月と整理できる。

(表―1、グラフ―1)。



 

■数量構成比では前月から当月(12月→1月)にかけて、米国向けは41%から45%へ上昇し、シェアを回復した。
一方、英国向けは0%で横ばいとなり、引き続き実績ゼロが続いている。
「その他」は59%から55%へ低下したものの、引き続き最大シェアを維持。
結果として、1月は「その他」中心の構成を維持しつつも、米国向けの比重がやや持ち直し、前月の分散傾向が部分的に修正された月と整理できる。

(グラフ―2)。



 

■金額では、1月単月は2億87百万円となり、前月(3億42百万円)から減少した。前月比84%、前年同月比65%といずれもマイナスで、前年水準を下回る状況が続いている。
数量の減少に加え、前年同月比での落ち込み幅も大きく、金額ベースでは回復感に乏しい。数量と同様に年初は弱い立ち上がりとなっており、単価水準の低迷も含め、需給の緩さが引き続き反映された形となっている。
(表―2、グラフ―3)。


 

■FOB単価は、全体平均で前月639円から1月は713円へ上昇し、前月の下落から反発した。
内訳を見ると、
米国向けは990円から901円へ低下し、これまでの底堅さに一服感がみられる。
英国向けは引き続き実績がなく、動向は不透明。
一方、「その他」は400円から556円へ大幅上昇し、全体平均の押し上げ要因となった。
結果として、米国の下落を「その他」の上昇が補う構図となり、平均単価は持ち直し。円安基調を踏まえると、ドル建てでは下げ止まりから横ばい圏への移行が示唆される。


(グラフ―4)。


 

主要税関別数量・FOB(JPY/Kg)実績 ( )内は前月実績

主要国別税関別数量・FOB(JPY/Kg)実績 ( )内は前月実績


■今後の展望
数量は弱含み圏で推移しつつ、「その他」向け中心の分散構造が継続する見込み。米国向けの回復力が鍵となるが、単価は底打ち感を伴いながらも当面は横ばい圏での推移となる可能性が高い。

(輸入詳細分析)
■数量では、1月単月は127トンと前月(224トン)から大幅減少し、前月比57%と反落。前年同月比でも53%と低水準にとどまった。年末にかけての持ち直しは一服し、再び弱含みの動きとなっている。
内訳は以下の通り。
韓国はゼロ(前月63トン)と再び途絶。前月比0%、前年同月比も0%と供給の不安定さが際立つ。
台湾は21トンと前月(77トン)から減少、前月比27%、前年同月比38%と縮小。これまでの増勢にも一服感。
米国は11トンと小口ながら回復(前月ゼロ)。前年同月比92%と概ね前年並み水準。
「その他」は95トンと前月(84トン)から増加、前月比113%、前年同月比128%と堅調。引き続き全体を下支えする構図。
総じて、1月は「その他」依存が一段と強まり、韓国の消失・台湾の減速が全体数量を押し下げた格好。供給構造の不安定さが改めて浮き彫りとなっている。

(表―3、グラフ―5)。


■金額では、1月単月は1億27百万円と前月(2億20百万円)から大幅減少し、前月比58%と反落。前年同月比でも45%と低水準にとどまり、年末の持ち直しは一服した。
内訳は以下の通り。
韓国はゼロ(前月63百万円)と再び途絶し、前月比1%、前年同月比0%と供給の不安定さが継続。
台湾は17百万円と前月(79百万円)から減少、前月比21%、前年同月比31%と縮小。
米国は22百万円と前月ゼロから回復し、前月比大幅増、前年同月比106%と前年並み水準。
「その他」は89百万円と前月(78百万円)から増加、前月比114%ながら前年同月比89%とやや弱含み。
総じて、1月は韓国・台湾の減少が全体金額を押し下げ、「その他」依存の構図が一段と強まった。年末の回復局面から再び減速し、金額面でも不安定な推移が続いている。

(表―4、グラフ―6)。



 

■輸入CIF単価は、
韓国品は当月実績がなく(前月997円)、単価動向は不透明。
台湾品は前月1,031円から796円へと大幅に低下し、前月の上昇から一転して反落。
米国品は当月1,958円と前月実績なしから高水準で出現し、スポット的ながら突出した単価となった。
全体平均では前月982円から1,003円へと上昇し、小幅ながら反発。
為替は引き続き円安圏にある中での円建て上昇であり、ドル建てでも底打ち、あるいは持ち直しの兆しが出始めている可能性がある。

(グラフ-7)。


 

主要国別税関別数量・CIF(JPY/Kg)実績 ( )内は前月実績

主要国別・税関別数量・CIF(JPY/Kg)実績(  )内は前月実績


■今後の展望
国内外ともにチタンスクラップは在庫過剰が解消されておらず、フェロチタンの流入圧力もあって、当面は低位横ばいが続く公算が大きい。航空機向けなど一部高品質材には底堅い需要があるものの、市場全体を押し上げるには力不足。
輸入面でもスポット調達と「その他」依存が続き、数量・価格ともに振れの大きい不安定な構造が継続。総じて、レアメタル系全体が強含む中でも、チタン系は相対的に出遅れ、需給調整の長期化が避けられない展開となろう。

(IRUNIVERSE S. Aoyama)
 

関連カテゴリ

関連記事

新着記事

ランキング